下ってなんぼのMTBサイト

We love MTB!!

サスペンション

サスペンションのお勉強 ~FOXのRVS減衰システムを見てみよう~

投稿日:

これまた非常に良い動画なのでご紹介。

また、非常に面白いしくみの減衰システムです。

RVSはFOXの最新の減衰システムROD VALVE SYSTEMのことで、FOXの最新のダウンヒル用リアショックFloat DHX2とFloat X2に搭載されています。

最近はワールドのエンデューロレースでもDHX2ユーザーが多いみたいですね。

2017年モデルはショック長の短いDHX2 X2にはクライムモード切替レバーが搭載され、かなりエンデューロレースを意識した作りになってます。

 

このショックのキモは、リバウンド側、コンプレッション側の減衰調整を、独立に行えることです。

以前のショックでは、リバウンド減衰をかけると少なからずコンプレッション減衰もかかってましたが、完全に独立することでセッティングの容易さ、調整の細かさなど従来よりコースコンディションに合わせた調整ができるようになりました。

 

 

 

非常に良い説明なのですが、英語のため要点を下記します(全文文字起こしは手間なのでご勘弁を)。

また意訳に加え、私なりの補足説明も加えてます。(当方、本職は足回りエンジニアです)

 

説明

減衰力とはオイルが狭い通路を通る際に生じる抵抗を利用してます。これが前提です。

ショック構造

このショックの特徴として、ショック本体は2層構造になっており、ピストンが押したオイルは最終的にピストンの裏側に戻ってきます。

縮むときのオイルの流れ

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-15-12-33-46

最後にオイルがピストン下戻ってきます。これにより、ピストンの上下での圧力差を小さくすることができます。

圧力差が小さいので、キャビテーション(オイルの気化)が起きにくく、オイルシールにも負担がかかりません(より抵抗の少ないシールを使えます)

ちなみに、縮みこむ際、ピストンについた金色のロッドの体積分、サブタンクのエアが圧縮されて体積の増加分を吸収しています(ここにエアがないと体積を吸収できないのでストロークしない)

また、このサブタンクのエア圧を予め高めておくことで、オイル全体に油圧をかけてよりキャビテーションが起きにくくなってます。

 

ジャンプ着地などの大入力時の減衰機構

ピストンについたバルブが開くことでショックをスムーズに縮めることができます。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-15-12-41-20

このバルブは一方向のみなので、伸び側では開きません。また、ピストン上側の油圧が高くならないとバルブが開かないように、オイル穴を抑えるシムにテンションがかかってます。

これによって着地など大きな衝撃に対してスムーズにショックをストロークさせることができます。

 

メインの減衰機構

通常の減衰力調整はこの部分で発生させます。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-15-12-31-22

では、中身を見ていきましょう。

147194707898847212178_hsclsc

青いバルブで圧縮側の減衰力調整、赤いバルブで伸び側の減衰力調整を行います。

 

圧縮時

まずは低速側減衰の説明です。

圧縮時のオイルの流れです。最初にショック本体から青のバルブ側にオイルが流れ込みます。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-15-12-48-54

穴とニードルの隙間をオイルが通過する抵抗で、減衰力を発生させてます。

この隙間は常時開いていて、低速側の減衰を発生させてます。

このニードルの位置を調整することで、オイルが通過する隙間を調整し抵抗を調整しているのが、低速側の減衰力調整の正体です。

 

青いバルブを通過したオイルは、赤のバルブに流れ、チェックバルブを開いて流れ出て行きます。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-16-6-36-24

断面図なのでチェックバルブの穴は2個に見えますが、実際には円周にそって複数開いており、ここを流れるときはほとんど抵抗はありません。

ゆえに圧縮時は青いバルブのみで減衰力を発生し、赤いバルブ(伸び側)の影響を受けません。

 

次に高速側減衰の説明です。

ショックに一急激な入力があり、一気にオイルが流れ込む場合です。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-16-6-58-42

一気にストロークする際、低速側減衰の穴とニードルの隙間でオイルが捌ききれなくなり、流れ込むオイルの圧力が高まります。

するとスプリングとシムで閉じられていた穴が、オイルの圧力が高まることで開きオイルが流れ、スムーズにストロークするようになってます。

動画でみると分かり易いですね。高速側の減衰力調整の正体は、このスプリングのプリロードで穴が開く圧力を調整することです。

 

伸び時

ここまで理解できると、伸び時は簡単。

オイルの流れが逆になっただけです。

赤いバルブで減衰力を発生し、青いバルブではチェックバルブから抵抗なくオイルが流れます。

冒頭でこのシステムは圧縮側、伸び側で減衰力調整が干渉しないと書きましたが、こういう仕組みで独立に調整できるようになってます。

シンプルな仕組みながら、非常によく考えられたシステムですね。

 

ちなみに、この減衰力システムはオーリンズの最高峰サスペンションに搭載されているTTXと基本は同じです。

ttx_model

TTXは時速360km/hで走るMotoGPのオートバイでも使われている減衰機構です。

 

 

まとめ

低速側(ショックがゆっくりストロークする)の減衰力

穴とニードルの隙間の流入抵抗で発生。

減衰力調整は、穴とニードルの隙間を変化させて調整。

 

高速側(ショックが一気にストロークする)の減衰力

圧力が高まると開く穴の流入抵抗で発生。

減衰力調整は、穴のふたを抑えるバネで調整。

 

あ、念のため書きますが、低速側、高速側というのはバイクのスピードではなく、ストロークスピードのことですよ。

 

 

アイデアの詰まったプロダクトは見ていて面白いですね。

p5pb12131054

 

 

ブログランキング参加中。1ポチご協力をお願い致しますm(_ _)m

ブログランキング参加中。1ポチご協力をお願い致しますm(_ _)m
にほんブログ村 自転車ブログ MTBへ
にほんブログ村

-サスペンション
-

Copyright© We love MTB!! , 2017 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.